ピアソンマリンジャパン
全日本470級ヨット選手権大会2023 大会レポート
工学院大学体育会ヨット部
OBスキッパー 河内航人
2年クルー 福島歩
大会名:ピアソンマリンジャパン 全日本470級ヨット選手権大会2023
日程:2023年9月6日~9月10日
会場:宮城県閖上沖
参加者・参加団体:
○実業団所属(オリンピック経験者を含む)
○各県セーリング連盟所属
○社会人個人
〇海外セーリングチーム (韓国・ニュージーランド)
○大学混成
○全日本学生ヨット連盟に所属しない大学
○全日本学生ヨット連盟所属大学
(北海道水域) 北海道大学
(東北水域) 新潟大学 東北大学 東北大学医学部 東北学院大学
(関東水域) ★工学院大学 慶應義塾大学医学部 中央大学 日本大学 法政大学 東京大学 明治大学 学習院大学 立教大学 早稲田大学
(中部水域) 名城大学 名古屋大学
(近畿北陸水域) 金沢大学 立命館大学 同志社大学 京都大学
(関西水域) 大阪大学 神戸大学 近畿大学
(中国水域) 広島大学医学部 広島修道大学 岡山大学
(九州水域) 日本経済大学
【日程】
○9月5日 東北大学からチャーター艇受け取り (艇番号4094)
この日は福島のみ会場入りし、先に船の状況確認と軽く整備をしました。
○9月6日 受付登録、セール計測、ナンバーシール貼り付け、整備
仙台市に大雨警報が出るほどの悪天候の中で受付・計測、16時からオンラインによる開会式と艇長会議が行われました。
整備に関してはハーバーの門が開く前から門が閉まる時間までやりました。
フォアのテンションがあがらず困っていたところ江の島を拠点としている東洋大学OBさんと東京都立大学OBさんが手伝ってくれました。
○9月7日 レース1日目
10ノット前後の軽風コンディションで3レース消化しました。
レース後はハーバー内でウェルカムパーティが行われました。
パーティでは地元名物、牛タンのつくねやうーめん、おでんなどが振る舞われ、ビンゴ大会も行われました。
○9月8日 レース2日目
台風13号の影響があり、不安定な風で8ノット前後の弱い風で3レース消化しました。
2日目のレース終了後、東洋大学OBさんと東京都立大学OBさんと仙台のグルメを堪能しました。
OBさんたちのヨットに対する熱い気持ちが聞けて有意義な時間を過ごすことができました。
○9月9日 レース3日目
前日夜に通過した台風の影響で大きなうねりがあり、難しいコンディションの中3レース消化しました。
○9月10日 レース4日目、閉会式
この日は風が弱く陸上で風待ちをした後、3ノット前後の風で2レース消化しました。
レース終了後閉会式が行われ、全日程を終えました。
【大会結果】
今大会では2フリートに分けてレースが行われました。
1日目、2日目はYellow FleetとBlue Fleetに分かれてレース、3日目以降は1,2日目のレース結果上位半分が Gold Fleet、下位半分がSilver Fleetとなり、Silver Fleetに入りました。
参加艇数:82艇
●使用艇 4094艇 (セールNo.4699 バウNo.40) S.河内(OB)/C.福島(2年)
[1日目] フリート:Yellow Fleet 参加艇数:41艇
・第1レース 得点 32
・第2レース 得点 32
・第3レース 得点 36
[2日目] フリート:Blue Fleet 参加艇数:41艇
・第4レース 得点 34
・第5レース 得点 DSQ
・第6レース 得点 35
[3日目] フリート:Silver Fleet 参加艇数:41艇
・第7レース 得点 23
・第8レース 得点 32
・第9レース 得点 30
[4日目] フリート:Silver Fleet 参加艇数:38艇
・第10レース 得点 38
・第11レース 得点 36
【最終成績】
全体 74位/82艇中
(Silver Fleet 33位/41艇中)
【感想】
(福島)
この全国大会での貴重な経験を支えてくださった皆様へ感謝を申し上げます。
皆様のサポートがなければ、この全国大会の舞台に立つことはできませんでした。心から感謝申し上げます。
軽い気持ちで始めたヨットでしたが、去年の夏に河内先輩と佐藤先輩が工学院大学ヨット部史上初の全日本に出場し、私もいつか全日本に出場できるようなセーラーになりたいと思いながら練習に励んできました。
そして今年の夏の関東予選に河内先輩と出場しましたが、76艇中37艇という全日本出場のボーダーラインから外れてしまいました。
しかしその後、繰り上げで全日本出場を決めることができました。
ヨットを始めてからまだ1年弱しか経っておらず、全日本に出場することに対して不安を感じつつも、少しでも周りの人の技術を盗みたいという思いで挑みました。
普段とは異なる波の状態や風の強さと変化が激しい閖上の海では、ヒールバランスをとることが難しく、大会中ずっと悩まされました。
自信を持っていたスピンの取り扱いも、複雑な波に苦しんで何度も崩してしまいました。
他の船が常にフラットでスピンもきれいに張っていたことから、周りの選手との差を痛感しました。
さらに、スタート時のポジション争いは普段のレースでは経験しないほど激しいものでした。
1つのミスも許されない中、果敢に攻めてくる他の船に対して、自分が萎縮してしまったことが悔やまれます。
周りの船やスキッパーの動きをより余裕を持って観察できるようになりたいと思いました。
難しい大会ではありましたが、全てのレースを楽しむことができ、多くの成長を遂げたと思っています。
今回のレースでは古い船であるチャーター艇の4094に乗りましたが、それを通じて普段使っている船の価値に気づくことができました。
レースで戦える船を使うことができるのも、支援していただいているOBやOGの方々、学校、先輩たちのおかげです。心から感謝しています。
今回の全日本は河内先輩に連れて行ってもらい、大会のエントリーや船の準備などもしてもらいました。
何もわかっていない私にヨットの知識や動作だけでなく、遠征の仕方などヨット以外の様々なことも教えてもらいました。
河内先輩には本当に感謝しています。 ありがとうございました。
最後に、私はまだ2年生なので、今後も全日本に出場できるように練習に励みます。
この貴重な大会で得た経験や学びをチームメイトに共有し、インカレでの決勝進出を目指します。
OB・OGの方々、様々なサポートをしていただき本当にありがとうございました。
(河内)
お世話になっております。今年度よりOBとなりました、河内です。
この度は、OB会より全日本470選手権への出場の支援をして頂き、ありがとうございました。
また、全日本出場権を獲得するまでの過程から支えてくれた現役生達にも深く感謝致します。
ありがとうございました。
大会が終わってから2ヶ月が経ちました。チャーター艇のセッティングが出せず、あゆむと2人で周りの選手がいなくなるまでチューニングをした思い出が既に遠く感じます。
今大会は、私の総合力が試されたものだと感じています。
ヨットの技術だけでなく、大会に参加するまでのスケジュール管理、道具の管理、船の準備などが求められました。
社会人となって一から準備をした今大会の結果は、私の総合力が顕著に現れたと思います。
1番後悔したことは、気持ちで負けていた事です。ヨットはメンタルスポーツです。
練習で良い走りをしても、周りに囲まれた状態でそれを発揮出来なければ意味がありません。
自分が恥をかかないように、失敗をしないように、自分を大事にしすぎるあまり窮屈な走りをしてしまいました。
またコース引においても、湘南のリスクを取らないように走らせる海面とは違い、閖上はハイリスクハイリターンを狙うべき海面でした。
上位の艇は、このハイリスクを小さくする技術が長けていたと思います。
さて、歩にとって今大会はどう感じたでしょうか。全日本の舞台はいつもとかなり違ったはずです。
今大会で得た刺激を忘れずに、そしてまた全日本に挑んで下さい。
福島だけでなく、今の部員全員がその実力を持っていると思っています。
最後になりますが、工学院大学ヨット部がさらに強いチームになれるよう、OBとして応援させて頂きます。ありがとうございました。